本来は駐車スペースの整備というご要望であったが、2回目の打合せ時に玄関前から和室前までの空間利用についても提案。敷地自体広いものの、変形地形であったため施主様自身も長年活用法を見出せずにいた。方形石材と木材を利用したアプローチ兼ガーデンフロアは設計段階でそれぞれの立場がはっきりせずどうも使いづらさを感じた。そこでアプローチとガーデンの両方の空間をそれぞれ強く意識させるためにホームヤードルーフを採用。曖昧に見えた空間を天空から引き締めた。玄関に向かって眺めれば道となり、和室から眺めると景となる。夜間の存在価値は照明によって左右される。昼間、庭から感じた自然の素材が織り成す軽快さは、日没と共に上品な空間へと生まれ変わる。明るすぎない照明が木々を照らすことで、安心感を演出することができた。ふと、足をとめ、耳を澄ませば、近くを流れる川や植物の葉の音がやさしく聞こえてくる。今、家に着いたと、庭を通じて感じるのではなかろうか。 【使用商品】 ホームヤードルーフシステム フレーム(ブラウンエボニー)、モクプラボードリアル(ブラウンエボニー)、ガーデンアップライト オプティ、エクスレッズ ミニポールライト1型、エバーアートウッド格子材